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新・ATX電源の選び方 -安定性・長寿命・高効率 (第二回)
ATX電源との比較
はじめに
前回の技術解説記事で、

安定性のために無用な大容量の製品を選ぶ必要はありません

と結論づけましたが、寿命という点で考えるとどうなるか考えてみましょう。

あらゆる電子回路は部品の劣化と半田・基板の問題で寿命を迎えます。 筆者はATX電源のダイオード選定ミスが原因となって製造後数年で発生した珍しい故障をみたことがありますが、 そういったミスや粗悪品を除けばたいていの故障は熱が原因の故障です。

最も有名な現象は低ESR電解コンデンサの劣化で、 温度が10℃あがるごとに寿命は約半分になります。

電解コンデンサにせよ、半導体にせよ全ての部品は原子の結合によって成り立っています。 正しい結合で原子が並んでいれば正常部品で、並びが変われば故障となるわけです。 いっぽう、原子は熱エネルギーによってバラバラな速度で振動したり移動したりしています。 温度が上昇すると破壊力のある高エネルギー原子が配列を乱すため、劣化や故障の前兆が生じるのです。
その他、半田や基板のトラブルも温度と密接な関係があり、寿命を長くするためには動作中の温度を低く抑える必要があります。
2.どうやって温度を下げるか
そのため一昔前のサーバー用の電源は、轟音を上げて冷却するファンがよく使われていました。 しかし、最近は人間が不満を感じない程度の風量が上限になっています。

一定の風量の時に、温度上昇T(単位K、ケルビン)がどうなるか考えてみましょう。 毎秒取り込んだ空気の質量をm(kg)として、空気の比熱をk(J/K/kg)、回路で発生する熱量q(J)とすると T=q/(mk)となります。

つまり、発熱量の多い回路は温度が高いという常識的な結果になります。 そして温度の高い電子回路は寿命が短いのです。

発熱と温度比較

もちろん発熱量が多くてもヒートシンクや部品配置などの工夫で温度を下げることはできますが、 ATX電源の場合は規格で外箱の大きさが決まっているので限度があります。 水冷にしてしまう方法もありますが、実際はコストの問題もあって困難です。 同じメーカー製のパソコンで比べてみれば納得できるかもしれません。
Pentium4モデルとCeleron E3200モデル、温度や寿命はどうでしょうか?

結局、発熱の少ない回路=寿命の長い回路なのです。

3.発熱と効率
ところで電源回路の効率は、「出力電力÷入力電力」です。 入力電力と出力電力の差は全て熱になりますから、効率が高い回路の発熱が少ないということになります。 たとえば、60Wの電力を消費するマザーボードとCPUを考えてみましょう。

効率70%の電源では、100Vの電力を85.7W消費し、そのうち60WがマザーボードとCPUで使われますが、 差の25.7Wが電源装置の中で熱になります。いっぽう、効率85%ならば100Vの電力は70.6Wですから電源装置内部で生じる熱は10.6Wに過ぎません。

効率70%の発熱
効率85%の発熱

温度上昇はおおざっぱにいって発生する熱量に比例しますから、効率70%の電源で75℃の温度上昇があったとすると、 効率85%であれば僅か31℃です。

先ほどの電解コンデンサの寿命計算で10℃ごとに寿命が倍違うと書きましたが、75℃と31℃では44℃違いますから16倍以上の長寿命になるわけです。

さて、下のグラフは75Wの小容量電源モジュールの効率と、最新世代の省電力CPU AMD Athlon IIX2 240e搭載機で実測された消費電力の最大値と最小値です。
効率の比較
もうおわかりですね?

定格が大きい方が余裕があって長持ちするというのは迷信です。

上のグラフの75Wの電源は、100%負荷の75Wで連続使用しても200-500Wの電源よりも発熱が少なく、 ファンレス自然対流の場合でも寿命は30万時間という圧倒的な信頼性を誇ります。

高効率電源であっても、出力20%以下では効率は低下します。(400Wの高効率電源では20%ラインは80Wなので、Core i7 920クラスで実力を発揮します)

あたりまえですが、図体の大きい装置よりも優れた設計の方が信頼性が高くなるのです。 過剰な定格で良いことなど何もありません。

そのためには、実測データに基づいて、適切な定格容量を割り出すことが大切なのです。

それでは、必要とされる定格容量はどの程度でしょうか?
→→→技術解説記事第三回に続きます。


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ATX電源との比較